近所のシングルマザーの話

同じマンションに住んでいる懇意にしているご夫婦がいます。娘さんはとっくに嫁いでいて二人で住んでいたようなのですが、娘さんが離婚することになり、出戻りという形で家に帰ってくることになりました。私は娘さんと面識がなく、何となく性格のきついイメージの女性かと思っていたのですが、実際に話をしてみるとそんな感じの女性ではありませんでした。それに、看護師だそうで、逆に親近感がわきました。

看護師の娘さんを持つ、ご夫婦の不満は、医療従事者として働いていながらどうして医者と結婚しなかったのか、ということらしくお酒を飲みにくたびにこぼしていました。それに加えて離婚して帰ってくるなんて、と娘さんが帰ってきた当初は何度も同じことを繰り返していました。私が勝手に思い込んでいただけなのですが、昼間は娘さんをおばあちゃんに見てもらって看護師の仕事を続けているのだと思っていました。

しかし、偶然入った書店のレジにいたのは、その娘さんでした。看護師と聞いていた彼女がまさか書店のレジの仕事をしているとは思っても見なかったので、とても驚きました。現在では看護師の仕事は不足しているので、パート勤務でも働くところはたくさんあるはずです。しかし、彼女は潜在看護師になっていました。私の想像ですが、彼女にとって看護師という職場があまり合わなかったのかもしれないなと感じました。子どもを抱えてお金が必要なのに違う仕事に就いているという事実からそう思わせられました。